国の支配者


人間は集団生活をします。
1人でできないことも集団になればできることが多くなるので当然でしょう。
集団ができると統率するリーダーが生まれます。

いくつもの集団が戦い、和合を繰り返しやがて大集団のリーダーが生まれます。
古代にその頂点にたったのが天皇なのでしょう。

古代日本を支配した天皇の原風景

支配者の頂点に立つために武力が最重要であったことは言うまでもありません。
どれだけの人間を束ねどれだけ強力な軍事力を保持するかが決め手となります。

しかしほとんどの戦いは、リーダーが最前線で戦うことはありません。
戦いは自分の部下にやらせ、その状況を遠くで見ています。
将棋でもそうですが、王将である自分が命を落とすわけにはいかないのです。

集団の実力に直結するのが軍隊であり、リーダーが直接戦いにタッチしないのであれば軍隊の長の
権力が非常に強くなります。支配者は軍隊の長が逆らってクーデターを起こすことを恐れますから、
軍人を優遇します。その結果表面上は天皇が国家を治め、実質的には武力の長が国家を支配する
二重構造が生まれます。

武将はその気になればいつでも天皇を殺害して自分が天皇になることもできたことでしょう。
しかし、自分たちが武力を保持し実質上のNo1として朝廷の権威を利用したほうが政権を安定
させやすいことを知っていました。

平安末期から江戸時代まで長く続いた朝廷と幕府の関係はお互いの立場を利用することで日本を
治めるシステムだったわけです。

しかしこの支配者と軍部の馴れ合い関係は日本だけの独自のシステムというわけではありません。
現代社会でも生きている世界共通の政権運営システムなのだと思います。なぜなら古今東西、
現代に至るまで国家の実力を握っているのは軍隊だからです。

たとえば北朝鮮を見てみましょう。
国民は虐げられ極貧状態に追い込まれているように見えますが、暴動や革命はおきません。
恐ろしいほどまでにコントロールされています。

北朝鮮を実質支配する軍隊

その頂点に立つのがキムジョンイル将軍様で彼の恐怖政治によるものだと考えてしまいますが、
本当に国を支配しているのは軍部なのです。将軍様は彼らに利用されたお飾りにすぎません。
軍部の上層部は将軍様を利用して国家の甘い汁を吸い続けているのです。

ですから北朝鮮に刺客を送り込んでキムジョンイルを暗殺すれば北朝鮮が崩壊して世界が平和に
なるというのは単純な考えです。

この支配構造は現代のアメリカや日本にも当てはまると思います。
国を治める指導者にとってもっとも怖いのは暴力です。
軍隊は他国との交戦や国防のためにあると思いがちですが、為政者にとってみれば内乱やクーデターを
防ぐ役割のほうが本当はもっと重要です。

一見、軍隊は議会や官僚の管理の下にコントロールされているように思えますが、彼らが本気になれば
国家を転覆させることは簡単にできてしまいます。

ですからどの国も軍隊の上層部に甘い汁を吸わせてしまい、汚職や癒着の温床となっています。