カテゴリー: 家族

  • 私は家族のGPSではない

    最近ふと思う。

    私は家族のGPSではない。

    なのに。

    なぜか毎日何かを探している。

    まず殿が聞いてくる

    ある日のこと。

    殿が言った。

    「俺の車の鍵知らない?」

    知らない。

    見ていない。

    触ってもいない。

    そもそも最後に持っていたのは殿である。

    しかしなぜか聞かれる。

    そして私も反射的に探し始める。

    なぜだ。

    こむぎも聞いてくる

    続いてこむぎ。

    「マウスピースどこ?」

    知らない。

    むしろそれは本人が管理すべきものである。

    だが聞かれる。

    しかも過去にも数回行方不明になっている。

    そのたびに家中を捜索する。

    ソファの隙間。

    ランドセル。

    机の下。

    なぜか洗面所。

    発見される場所は毎回予想の斜め上だ。

    家族はまず私に聞く

    水筒。

    体操着。

    学校のお便り。

    充電器。

    通帳。

    印鑑。

    リモコン。

    なぜか全部私に聞く。

    私は管理者ではない。

    保管係でもない。

    なのに。

    家族の第一声は決まっている。

    「どこにある?」

    知らないと言うと始まる

    「えー?」

    「見てない?」

    「知らない?」

    知らないと言っている。

    本当に知らない。

    だがなぜか私が知らないことに驚かれる。

    むしろ聞きたい。

    なぜ知っていると思ったのだろう。

    そしてだいたい見つかる

    不思議なことに。

    私が探し始めると見つかる。

    車の鍵は上着のポケット。

    水筒は車の中。

    マウスピースはランドセル。

    充電器は本人の手元。

    最後のやつは本当に意味がわからない。

    私はGPSではない

    位置情報を把握しているわけではない。

    AirTagでもない。

    探知機でもない。

    ただ。

    長年の経験で。

    「あそこじゃない?」

    が当たるだけである。

    もはや特殊能力に近い。

    今日も呼ばれる

    そして今日もどこかで声がする。

    「ねぇ、あれどこ?」

    まず自分で探してほしい。

    そう思いながらも。

    私は立ち上がる。

    そしてなぜか見つけてしまう。

    気づけば我が家で一番性能の良いGPSになっていたのである。🤣