昼のLINEの意味を私は勘違いしていた

誕生日ディナーへ出発

私の誕生日だった。

朝からいろいろあった。

おめでとうは誰からも言われないし、

私はそれなりに機嫌を損ねていた。

その夜。

家族で食事に行くことになった。

殿は先に車に乗っていた。

こむぎと私は後から乗り込んだ。

すると。

シートベルトを締める前に車が動いた。

ぶぉーん。

明らかに早い。

いつもなら待つ。

なのに待たない。

すると隣のこむぎが私を見て言った。

「え?早くない?」

私もそう思った。

車内で始まる会話

私はこむぎに言った。

「イライラしてるんじゃないの?」

聞こえていた殿が即座に反応した。

「は?俺イライラしてねーし」

そして続けた。

「ちょっと待って」

「まだ怒ってんの?朝のこと」

朝のこと。

つまり。

誕生日なのに誰もおめでとうを言わなかった件である。

さらに殿は続けた。

「まだ怒ってんなら俺行かねーから」

「やめよう」

「二人で行ってこれば」

おや。

そういう話になるのか。

昼のLINEの真相

そこで私は昼間のLINEを思い出した。

殿から来たメッセージ。

たった一言。

「まだ怒ってる?」

その時の私は、

消火器騒動の後片付けで忙しかった。

怒るどころではなかった。

だから私は、

「怒ってないよ」

と返した。

既読。

終了。

返事なし。

了解もなし。

私は勝手に思っていた。

朝の件を反省して、

様子をうかがってきたのだと。

だから怒ってないと返した。

それで終わったのだと。

違った。

全然違った。

車内で真相が判明した。

あのLINE。

反省ではなかった。

謝罪でもなかった。

確認だったのである。

怒っていたら食事に行かない。

だから確認していたのである。

なるほど。

そういう意味だったのか。

私は少し遠い目になった。

誕生日ディナー開始

とはいえ。

もう車は走っている。

今さら引き返すわけにもいかない。

私はぐっと飲み込んだ。

大人である。

たぶん。

そして食事会が始まった。

しかし。

なんとなく空気が微妙である。

盛り上がらない。

お互い腹の中に何かある。

そんな感じだった。

お誕生日おめでとう私

そして乾杯の時間になった。

いつもなら。

「お疲れさまー」

で始まる。

その日もそうだった。

普通に。

何事もなかったかのように。

「お疲れさまー」

である。

私は思った。

あれ?

夜におめでとうって言う流れじゃなかったの?

違ったらしい。

なので。

私は自分で言った。

「お誕生日おめでとう私」

そして乾杯した。

主役、自給自足である。

来年はせめて。

誰か一人くらい先に言ってくれることを願いたい。

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