カテゴリー: 殿観察日記

  • モラハラはやばいよね

    モラハラはやばいよね

    久しぶりのお店

    先日、家族で食事に行った。

    その店は独身の頃によく通っていたお店である。

    久しぶりだった。

    懐かしかった。

    しかし。

    ひとつ気になることがあった。

    女将さんがいないのである。

    いつもいた。

    ずっといた。

    なのに見当たらない。

    私は不思議に思いながら食事をしていた。

    帰り際に聞いた話

    帰る時。

    たまたま知り合いが来店した。

    私はこっそり聞いてみた。

    「女将さん最近見ないけどどうしたの?」

    すると返ってきた答えは衝撃だった。

    「逃げたんだって」

    逃げた。

    なかなか強い言葉である。

    さらに知り合いは続けた。

    「大将、昔ながらの昭和の職人気質だからなぁ」

    私は妙に納得してしまった。

    どちらが悪いとかではない。

    事情も分からない。

    本当の理由も知らない。

    ただ。

    昔から大将は厳しかった。

    お客さんには本当に優しい。

    料理もおいしい。

    でも従業員や女将さんには厳しかった。

    それはお店を良くしたいから。

    お客さんのため。

    そんな思いもあったのだと思う。

    ただ時代は変わった。

    女将さんのお子さんももう成人している。

    いろいろ考えることもあったのかもしれない。

    もちろん全部私の想像である。

    本当のことは分からない。

    代行の車の中で

    帰りは代行だった。

    私は殿にその話をした。

    「女将さん、大将のモラハラが嫌で出て行ったらしいよー」

    すると殿が言った。

    「モラハラはやばいよね」

    私とこむぎは黙った。

    ・・・・・・。

    しばらく沈黙。

    殿が言った。

    「え?」

    さらに言った。

    「俺なんか間違ったこと言った?」

    何も言わなかった

    私とこむぎは顔を見合わせた。

    そしてまた黙った。

    ・・・・・・。

    別に間違ったことは言っていない。

    モラハラはやばい。

    その通りである。

    非常に正しい。

    正しいのだが。

    何というか。

    その。

    うまく説明できない。

    ただ。

    私とこむぎが同時に黙ったことだけは事実である。

    世の中には

    殿は最後まで不思議そうだった。

    本当に分からない様子だった。

    だから私たちも何も言わなかった。

    世の中には。

    知らない方が幸せなこともあるのである。

  • 昼のLINEの意味を私は勘違いしていた

    昼のLINEの意味を私は勘違いしていた

    誕生日ディナーへ出発

    私の誕生日だった。

    朝からいろいろあった。

    おめでとうは誰からも言われないし、

    私はそれなりに機嫌を損ねていた。

    その夜。

    家族で食事に行くことになった。

    殿は先に車に乗っていた。

    こむぎと私は後から乗り込んだ。

    すると。

    シートベルトを締める前に車が動いた。

    ぶぉーん。

    明らかに早い。

    いつもなら待つ。

    なのに待たない。

    すると隣のこむぎが私を見て言った。

    「え?早くない?」

    私もそう思った。

    車内で始まる会話

    私はこむぎに言った。

    「イライラしてるんじゃないの?」

    聞こえていた殿が即座に反応した。

    「は?俺イライラしてねーし」

    そして続けた。

    「ちょっと待って」

    「まだ怒ってんの?朝のこと」

    朝のこと。

    つまり。

    誕生日なのに誰もおめでとうを言わなかった件である。

    さらに殿は続けた。

    「まだ怒ってんなら俺行かねーから」

    「やめよう」

    「二人で行ってこれば」

    おや。

    そういう話になるのか。

    昼のLINEの真相

    そこで私は昼間のLINEを思い出した。

    殿から来たメッセージ。

    たった一言。

    「まだ怒ってる?」

    その時の私は、

    消火器騒動の後片付けで忙しかった。

    怒るどころではなかった。

    だから私は、

    「怒ってないよ」

    と返した。

    既読。

    終了。

    返事なし。

    了解もなし。

    私は勝手に思っていた。

    朝の件を反省して、

    様子をうかがってきたのだと。

    だから怒ってないと返した。

    それで終わったのだと。

    違った。

    全然違った。

    車内で真相が判明した。

    あのLINE。

    反省ではなかった。

    謝罪でもなかった。

    確認だったのである。

    怒っていたら食事に行かない。

    だから確認していたのである。

    なるほど。

    そういう意味だったのか。

    私は少し遠い目になった。

    誕生日ディナー開始

    とはいえ。

    もう車は走っている。

    今さら引き返すわけにもいかない。

    私はぐっと飲み込んだ。

    大人である。

    たぶん。

    そして食事会が始まった。

    しかし。

    なんとなく空気が微妙である。

    盛り上がらない。

    お互い腹の中に何かある。

    そんな感じだった。

    お誕生日おめでとう私

    そして乾杯の時間になった。

    いつもなら。

    「お疲れさまー」

    で始まる。

    その日もそうだった。

    普通に。

    何事もなかったかのように。

    「お疲れさまー」

    である。

    私は思った。

    あれ?

    夜におめでとうって言う流れじゃなかったの?

    違ったらしい。

    なので。

    私は自分で言った。

    「お誕生日おめでとう私」

    そして乾杯した。

    主役、自給自足である。

    来年はせめて。

    誰か一人くらい先に言ってくれることを願いたい。

  • 救急車で運ばれた日、殿は帰った

    救急車で運ばれた日、殿は帰った

    人生初の救急車

    とある夜中。

    私は今まで経験したことのない頭痛に襲われた。

    頭が割れるのではないかと思うほど痛い。

    寝ても痛い。

    起きても痛い。

    横になっても痛い。

    しばらく耐えた。

    様子も見た。

    でも全く良くならない。

    これはまずい。

    そう思って救急車を呼んだ。

    人生初の救急搬送である。

    付き添いとは

    救急車が到着した。

    救急隊員さんがいろいろ質問してくる。

    当然だ。

    本人は痛みでまともに話せない。

    だから付き添いの殿が答える。

    はずだった。

    ところが。

    自宅の電話番号がわからない。

    私が答えた。

    常用薬はあるか。

    私が答えた。

    持病はあるか。

    私が答えた。

    血圧はどれくらいか。

    私が答えた。

    いや。

    付き添いとは何なのだろう。

    血圧計の持ち主

    我が家には血圧計がある。

    殿が買った。

    そして殿だけが毎日測っている。

    朝測る。

    夜測る。

    数字に一喜一憂する。

    しかし私は一度も使ったことがない。

    だから自分の血圧は知らない。

    それは仕方ない。

    私も知らない。

    でも。

    少なくとも救急車の中で。

    一番元気な人が答えてくれてもよくないだろうか。

    私は頭が割れそうなのである。

    病院へ

    病院に着いた。

    MRIを撮った。

    その頃には痛み止めや点滴が効いてきていた。

    楽になったのか。

    麻痺していたのか。

    正直よくわからない。

    でも少し会話はできるようになった。

    そこで私は言った。

    「こむぎもいるし、一度帰っても大丈夫だよ」

    言った。

    確かに言った。

    一度だけ。

    社交辞令みたいなものである。

    日本人ならわかると思う。

    本気で帰れと言っているわけではない。

    本当に帰った

    ところが。

    殿は帰った。

    本当に帰った。

    こむぎを連れて。

    そそくさと帰った。

    MRIの結果も聞かない。

    医師の説明も聞かない。

    今後の話も聞かない。

    何も聞かない。

    帰った。

    あまりにも迷いがなかった。

    主治医も驚く

    しばらくして主治医が来た。

    MRIの結果説明である。

    そして病室を見渡した。

    私ひとり。

    主治医が言った。

    「えーーーーーー???」

    本当に言った。

    ドラマみたいな反応だった。

    でも私も同じ気持ちだった。

    家族なのに。

    当事者なのに。

    なんとも言えない虚無感が押し寄せた。

    一番驚いたこと

    結果として大きな病気は見つからなかった。

    それは本当に良かった。

    心から良かった。

    でも。

    救急搬送された私は。

    夜中。

    ひとりでタクシーを呼び。

    ひとりで帰宅した。

    家に着くと。

    そこには先に帰宅済みの殿がいた。

    考えてみれば不思議である。

    救急搬送されたのは私。

    付き添いだったのは殿。

    なのに。

    帰宅順は殿が先だった。

    あの日の出来事を一言でまとめるなら。

    救急車には乗った。

    MRIも撮った。

    でも一番驚いたのは。

    殿の帰宅判断だったのである。

  • 誕生日の主役を乗っ取ろうとした男

    誕生日の主役を乗っ取ろうとした男

    異議あり

    殿と私は誕生日が近い。

    しかも私の方が先である。

    さらに同じ月にはこむぎの誕生日もある。

    先日、

    こむぎの誕生日会をしていた時のこと。

    ケーキを食べたり。

    プレゼントを開けたり。

    主役のこむぎがご機嫌だったり。

    そんな平和な時間に。

    殿がさらっと言った。

    「こむぎー、母むぎー、自分もー、おめでとー。合同パーティーだね」

    待ってほしい。

    異議あり。

    なぜ勝手にまとめようとしているのだ。

    こむぎの誕生日。

    私の誕生日。

    殿の誕生日。

    それぞれ別件である。

    なぜ一回で処理しようとするのか。

    私は断固として反対した。

    毎年なんとなく流される私の誕生日

    とはいえ。

    今までもずっとそんな感じだった。

    私はあまり物欲がない。

    だから誕生日当日にプレゼントをもらうことはほとんどない。

    サプライズも特に求めていない。

    というか。

    殿のセンスによるサプライズは少し怖い。

    だから欲しい物ができた時に買ってもらう方式で長年やってきた。

    母の日。

    誕生日。

    クリスマス。

    全部まとめて後日になることもある。

    それは別にいい。

    そこは納得している。

    ところが今年は違った

    事件は先日起きた。

    殿からLINEが来た。

    誕生日プレゼントの要求である。

    しかも具体的だった。

    URL付きだった。

    さらに。

    高い。

    普通に高い。

    しかも二つ。

    二つである。

    私は思った。

    私の給料。

    知ってるよね?

    順番というものがある

    さらに納得できなかった理由がある。

    私の誕生日が先なのである。

    私が先。

    その後に殿。

    順番で言えば私はまだ何も受け取っていない。

    そんな状況で。

    自分の欲しい物だけ先に申告してくる人を私は初めて見た。

    長いこと生きてきた。

    本当に初めての経験だった。

    そして追撃が始まる

    私は無視した。

    すると。

    「欲しい物ある?」

    無視した。

    すると。

    「誕生日に食事行く?」

    無視した。

    すると。

    「ちょっといい店でもいいよ」

    である。

    なぜだろう。

    自分のプレゼント要求から始まった話なのに。

    最終的に私への接待みたいな流れになっていた。

    今夜は主役を取り戻す

    そんなわけで。

    今日はちょっといいお店を予約した。

    殿が言い出したのである。

    遠慮はしない。

    大いに飲む。

    大いに食べる。

    そして思う存分誕生日を祝われようと思う。

    少なくとも。

    合同パーティーで一括処理される未来だけは回避したのである。

  • 寝室が別になった日〜夫婦円満のために距離を取った話〜

    寝室が別になった日〜夫婦円満のために距離を取った話〜

    結婚してからずっと寝室は同じだった。

    なんなら同棲時代から妊娠後期までベッドまで同じ。

    セミダブルである。

    今思うと正気ではない。

    妊娠後期の私。

    万年ダイエッターの殿。

    狭い。

    非常に狭い。

    お腹の子が苦しいからという建前で、寝る場所を別にしたいと申請した。

    今思えば本当の理由はホルモンバランスだった気がする。

    たぶん。

    娘が生まれてからは川の字生活

    こむぎが生まれてからはベッドをやめた。

    布団を並べて川の字で寝る生活。

    それがつい最近までずっと続いていた。

    でも私はずっと思っていた。

    できれば別に寝たい。

    産後のホルモン。

    更年期のホルモン。

    いろいろ重なって、とにかく眠りが浅い。

    そして殿は生活音が爆音である。

    爆音で生きる男

    何十回言っても変わらない。

    娘が小さい頃。

    ようやく寝かしつけた。

    やっと寝た。

    その瞬間。

    ドスドスドス。

    バタン!!

    ドアが閉まる。

    起きる娘。

    絶望する私。

    何度あったかわからない。

    しかも今でも変わらない。

    歩く音が大きい。

    ドアを閉める音が大きい。

    なぜそんなに全力なのか。

    寝室別制度は過去に却下されていた

    実は過去にも二度ほど提案している。

    寝室別制度である。

    しかし見事に却下。

    理由はこうだった。

    「別にしたらそのまま離婚しそうだから」

    意味がわからない。

    寝室と離婚の距離が近すぎる。

    思考回路が謎である。

    結局そのまま我慢してきた。

    更年期と睡眠不足のコンボ

    更年期になってから眠りはさらに浅くなった。

    ようやくウトウトしてきた頃。

    ドスドス。

    バタン。

    ビクッ。

    目が覚める。

    そしてもう眠れない。

    朝になる。

    寝不足である。

    更年期である。

    イライラしている。

    そこで殿が言う。

    「なんでそんなに機嫌悪いの?」

    「俺なんかした?」

    した。

    めちゃくちゃした。

    でも本人は気づいていない。

    そのことにさらにイライラする。

    完全なる悪循環である。

    きっかけは大きめの喧嘩

    ある日、結構大きな喧嘩をした。

    実家に帰ろうかなと思うレベル。

    というか、ほぼ一方的な言いがかりだった。

    だったらもういい。

    その日はこむぎと別の部屋で寝た。

    するとどうだろう。

    快適だった。

    実に快適だった。

    静か。

    平和。

    最高。

    殿は覚えていないらしい

    翌日。

    殿は普通だった。

    そして後日判明した。

    本人は寝室が別になった原因をよくわかっていなかった。

    喧嘩は覚えている。

    でも寝室が別になる決定打になった発言は覚えていないらしい。

    そんな都合のいい話があるか。

    その部分だけ綺麗に記憶が抜けるものなのか。

    私は疑っている。

    かなり疑っている。

    三日後に来たLINE

    三日ほど経った頃。

    夜にLINEが来た。

    「まだ寝室別なのか?」

    である。

    そこで説明した。

    喧嘩とは別。

    好き嫌いとも別。

    生活音の問題。

    睡眠の問題。

    お互い快適に寝るための問題。

    だから寝室は別にしよう。

    そう伝えた。

    すると意外にもすんなり受け入れた。

    たぶん。

    自分にも非があることはわかっていたのだと思う。

    しょんぼりしていたけれど。

    今は実に快適である

    それからずっと。

    こむぎと二人で寝ている。

    実に快適である。

    朝のイライラもかなり減った。

    睡眠って大事だったのだ。

    ちなみに。

    生活音爆音の殿の隣でも。

    こむぎはずっとスヤスヤ寝ていた。

    いびきも平気。

    子どもは強い。

    私は無理だった。

    今は静かな夜である。

    そして私は今日も平和に眠る。

  • その独り言、たぶん独り言じゃない

    その独り言、たぶん独り言じゃない

    誕生日が近い。

    しかも4日違いである。

    先に私が誕生日。

    その4日後が殿の誕生日。

    先日、飲みに行った帰りだった。

    私は少し酔っていた。

    殿も酔っていた。

    そして毎度のことながら、帰宅した殿は真っ先に寝室へ向かう。

    昔からそうである。

    娘がまだ小さかった頃から変わらない。

    帰宅したら自分だけ寝る。

    私は酔っていても娘のことを見ている。

    とはいえ今のこむぎはもう乳飲み子ではない。

    正直、今となっては問題ない。

    むしろ寝るなら早く寝てくれである。

    そんな帰宅後の出来事だった。

    酔った勢いは恐ろしい

    寝室へ向かう殿に向かって私は言った。

    「時計買おっかー」

    実は以前から欲しいと言っていたのである。

    時計。

    高そうなやつ。

    なんかステイタスとか言っていた気がする。

    私は時計に興味がないのでよく覚えていない。

    とにかく酔った勢いだった。

    すると殿は言った。

    「いいよー。いらないよー」

    ふーん。

    そうですか。

    せっかく言ってあげたのに。

    いらないならいらないである。

    私はそのまま寝た。

    一晩考えたのだろう

    翌日。

    仕事から帰宅した殿。

    開口一番こう言った。

    「二人で時計買わない?」

    私は思った。

    考えたな。

    一晩。

    絶対考えたな。

    昨日の夜は勢いで断ったものの、

    朝起きてからずっと頭の片隅にあったのだろう。

    時計。

    欲しいな。

    でも昨日いらないって言ったしな。

    でも欲しいな。

    どう言おうかな。

    どう切り出そうかな。

    その結果が。

    「二人で時計買わない?」

    だったのだと思う。

    だが残念だった

    私は時計に興味がない。

    本当にない。

    誰がどんな時計をつけていても。

    高級時計だろうが何だろうが。

    感想はだいたい。

    「ふーん」

    である。

    昔なんて千円くらいの時計だった。

    時間がわかれば十分。

    何も困らない。

    今使っているのもスマートウォッチ。

    推し活のためである。

    寺西拓人のインスタ更新を即座に知るため。

    それだけで十分価値がある。

    待ち受けも推し。

    通知も来る。

    最高である。

    高級時計に求めるものがない。

    こむぎにまで見抜かれる

    私が断ると、

    横で聞いていたこむぎが言った。

    「お母さんは時計に興味ないよ!」

    その通りである。

    100点満点の分析である。

    殿は少ししょんぼりした。

    そして最後にぽつりと言った。

    「じゃあお金貯めて買うわ。ほしいし」

    私は聞いた。

    確かに聞いた。

    だが。

    あれは独り言だったと思う。

    たぶん独り言である。

    独り言だよね?

    そういうことにしておいた。

    だから私は何も返事をしなかった。

    だって昨日、

    いらないって言ったのだから。🤣

  • 私も仕事しているのだが、なぜ家庭は私の担当なのだろう

    私も仕事しているのだが、なぜ家庭は私の担当なのだろう


    最近ふと思うことがある。

    私も仕事をしている。

    もちろん殿ほどではない。

    会社の代表と役員では責任も違うし、働く時間も違う。

    それはわかっている。

    わかっているのだが。

    なぜ家庭のことは私の担当が前提なのだろう。


    家庭は勝手に回らない

    朝起きる。

    弁当を作る。

    こむぎを送り出す。

    学校からのお知らせを確認する。

    塾の予定を把握する。

    歯医者の予約をする。

    マウスピースの行方を追う。

    献立を考える。

    買い物をする。

    旅行の手配をする。

    回覧板を回す。

    そして仕事をする。

    家庭というものは不思議である。

    誰かがやらないと回らないのに、ちゃんと回っていると存在しないものとして扱われる。


    見える仕事と見えない仕事

    殿の仕事はわかりやすい。

    現場へ行く。

    お客様とやり取りする。

    売上になる。

    成果が見える。

    一方、私の仕事は見えにくい。

    塾を探す。

    説明会を予約する。

    こむぎの様子を見る。

    学校とのやり取りをする。

    家族全員の予定を把握する。

    これらは何かを生み出しているようでいて、数字にならない。

    だから存在しないことになりがちである。

    いや。

    存在しないどころか、最初から私がやるものとして扱われている気がする。


    送迎の話になった時

    以前、塾の送迎の話になったことがある。

    私が送迎しているのだが、その流れで殿が言った。

    「俺やるから、お前その代わり俺の仕事しろよな」

    一瞬、言葉を失った。

    いや。

    待て。

    送迎だけが仕事ではない。

    その塾を探したのは誰だ。

    説明会を予約したのは誰だ。

    体験授業を申し込んだのは誰だ。

    日程を管理しているのは誰だ。

    私は送迎係ではない。

    送迎係兼総務部兼人事部兼秘書課である。


    家庭運営部長

    考えてみれば、私は毎日いろいろな部署を兼任している。

    総務。

    経理。

    人事。

    送迎課。

    旅行代理店。

    弁当工場。

    そして苦情受付窓口。

    しかも24時間営業。

    休業日はない。

    ブラック企業もびっくりである。


    たぶん悪気はない

    殿に悪気はない。

    本当にないと思う。

    ただ家庭が普通に回っているので、

    「勝手に回っている」

    ように見えるのだろう。

    しかし違う。

    勝手には回っていない。

    誰かが回している。

    その誰かが私なのである。


    本日の結論

    私も仕事をしている。

    そして家庭も運営している。

    だからたまには言わせてほしい。

    家庭が回っているのは奇跡ではない。

    母むぎという名の家庭運営部長が、今日もフル稼働している結果なのである。🤣

  • ダイエットする人の注文ではなかった

    ダイエットする人の注文ではなかった

    久しぶりの外食だった

    今日は馴染みのお店へ。

    混んでいてカウンターしか空いていなかった。

    いつもなら向かい合わせ。

    今日は横並び。

    だから普段見えないものが見えた。


    結婚指輪が限界を迎えていた

    殿の左手である。

    結婚指輪。

    めちゃくちゃ食い込んでいた。

    本当に食い込んでいた。

    そのうち消防署で切ってもらうのではないかと思うレベルである。

    指輪が指に乗っているのではない。

    指が指輪に乗っているのである。


    そして今日も食べる

    本人はダイエットすると言っている。

    何度も聞いた。

    しかし今日の注文はこうだった。

    パスタ。

    ハンバーグ。

    ライス大盛り。

    サラダ。

    餃子。

    タコス。

    そして酒。

    気休めのサラダが一番肩身が狭そうだった。


    そりゃ弁当も増量要求する

    最近、弁当の増量要求が来た。

    私は不思議だった。

    だが今日すべて理解した。

    胃袋のサイズが変わっている。

    おそらく胃が

    「まだ入ります」

    と言っている。


    今日もだいたい想定外

    ダイエットすると言いながら、

    大盛りご飯を食べ、

    酒を飲み、

    指輪は限界を迎えている。

    次に痩せるのが先か。

    消防署に行くのが先か。

    私は静かに見守りたいと思う。

  • 頼み事なのに全部「してみ〜」で済ませる殿

    頼み事なのに全部「してみ〜」で済ませる殿

    頼み事の言い方が独特である

    殿は人に何かを頼む時、

    「〇〇してみ〜」

    と言う。

    予約したい店がある時は、

    「空いてるか電話してみ〜」

    誰かに確認が必要な時は、

    「聞いてみ〜」

    何かを調べてほしい時も、

    「見てみ〜」

    である。

    最初は気にならなかった。

    でも何年も聞いているうちに、だんだん気になってきた。

    それ、頼み事だよね?

    私は毎回思う。

    それは

    「電話してほしい」

    ではないのか。

    「確認してほしい」

    ではないのか。

    なぜ全部

    「してみ〜」

    になるのか。

    頼み事なのか。

    提案なのか。

    おすすめなのか。

    毎回少しだけ混乱する。

    私が言いたいのはそこじゃない

    別に電話をかけること自体はいい。

    確認するのも別にいい。

    私が引っかかるのはそこではない。

    人にものを頼む時の言い方である。

    私を見下しているのか。

    悪意があるのか。

    それとも本人は何もおかしいと思っていないのか。

    長年一緒にいるが、いまだによくわからない。

    ただ少なくとも、

    人に何かをお願いする時の言い方としては違和感がある。

    電話は体験イベントではない

    「食べてみ〜」

    ならわかる。

    「着てみ〜」

    もわかる。

    「観てみ〜」

    もわかる。

    でも

    「電話してみ〜」

    は違う。

    電話は体験イベントではない。

    新しい趣味の提案でもない。

    ただの確認作業である。

    やらないという選択肢は存在しない

    しかも本当に不思議なのは、

    やるかやらないかの選択権は最初から存在しないことである。

    もし私が電話しなければ、

    後から普通に

    「電話した?」

    と聞かれる。

    つまり電話してほしいのである。

    だったら最初から

    「悪いけど電話してくれる?」

    でいいのではないか。

    たったそれだけで受け取る印象はずいぶん違う。

    今日もだいたい想定外

    殿の中では、

    頼み事と提案の境界線が曖昧らしい。

    私は今日も、

    体験イベントのように紹介された電話をかけるのであった。

  • 塾の体験見学中に、まさかのひと言が飛んできた話

    塾の体験見学中に、まさかのひと言が飛んできた話

    体験中に殿から着信

    今日はこむぎの塾の体験見学へ!説明を聞きながら、こむぎが実際の授業を体験している様子をワクワク眺めていたら……殿から着信。

    「今日は塾の体験だから帰り遅くなるよ〜」と伝えると、即レスで返ってきたのが

    「メシどうすんの?」

    いやいや、それを聞かれても!(笑)

    「メシどうすんの?」事件

    実はその時点で、心の中では「帰りにこむぎとテイクアウトしよ〜」ってすでに決めてた。けど、わざわざ説明するのも面倒だったから、「まだ帰り遅くなるしわかんない」とだけ返信。

    まさかの宣言

    すると殿から飛んできたのが、まさかの宣言。

    「俺だけ先に食ってる」

    ……俺だけ?!

    いや、殿が先に食べるのは全然いいんだけど。私のことは置いてっていい。でも、塾でがんばって体験してるこむぎのことまで置いて、自分だけサクッと食べる気だったとは……。これは予想以上の展開で、思わずびっくりしてしまった。

    今日も殿は平常運転

    塾の体験内容より、帰り道のこのひと言の方が今日一番のハイライトになってしまった。

    今日も殿は平常運転。