殿が「泊まりでゴルフ行ってくる」と、いつもより少しだけ機嫌よく出発したのは、ある朝のこと。
見送った瞬間から、気分はもう「ひゃっほい」だった。
多少の名残惜しさくらい見せてもいいはずなのに、隠す気もないくらいの解放感。 心の中で密かにガッツポーズしていたことは、ここでバラしてしまう。
そしてその予感は、的中どころか軽く上回ってきた。 待っていたのは、人生でも指折りの「最高な24時間」だった。 これもまた、立派な想定外である。
「夕飯を作らなくていい」だけで世界が輝く
殿が出発した夜、こむぎと二人でふらっと外食へ。
「何食べたい?」 「ハンバーグ!」 「よし、行こう」
これだけのやり取りで決まる夕飯、最高すぎる。
普段なら、冷蔵庫の中身、殿の好み、栄養バランス…… 頭の中で同時に処理しながらメニューを決めているのに。
この日は、こむぎの「ハンバーグ!」の一声で即決。 食べ終わったら、特に予定もなく気ままに帰宅。洗い物もほぼなし。
「夕飯を作らなくていい」 これだけで、自分の時間がこんなに増えるとは思わなかった。
地味だけど、確実に「最高」のポイントだった。
朝からイライラしない自分に、自分でびっくりした
そして翌朝。これが地味にすごい発見だったのだが、 朝からまったくイライラしていない自分がいた。むしろご機嫌。
いつもの朝は、 「早く準備して」「靴下どこ」「もう時間ないよ」 が、BGMのように家の中を流れている。
それが、この日はゼロ。
こむぎと二人、いつもより少しのんびりしたペースで朝を過ごし、 気づけば心が、やたら穏やかだった。
「あれ、こんなに平和な朝、ある……?」
ふと思ってしまった瞬間、 ちょっとだけ罪悪感がよぎったのは内緒にしておく。
これも立派な「想定外」
殿がいない一日が、こんなに快適で平和だとは、 正直、まったく想定していなかった。
夕飯のプレッシャーもなく、朝からのバタバタもなく、 こむぎと二人、気ままに過ごせた24時間。
「夫がいないだけで、こんなに穏やかになるなんて」 というのも、ちょっと笑えるけれど、れっきとした「想定外」案件である。
もちろん、殿が帰ってきたら、いつもの賑やかな日常がまた戻ってくる。 それもまた、悪くない。
でも次回の泊まりゴルフも、 ちょっとだけ楽しみにしている自分がいることは、 ここにそっと記録しておこうと思う。
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