カテゴリー: 想定外な日

  • 誕生日の朝、私は消火器を握っていた

    誕生日の朝、私は消火器を握っていた

    今日は誕生日だった

    今日は私の誕生日だった。

    朝起きた。

    誰からも「おめでとう」がない。

    殿からもない。

    こむぎからもない。

    まぁ平日だし忙しいのだろう。

    そう思おうとした。

    思おうとはした。

    しかし誕生日である。

    少しくらい期待はする。

    なのに誰も言わない。

    地味にイラっとした。

    そんな気持ちのままお弁当作りを始めた。

    そして数十分後。

    私は消火器を握っていた。

    誕生日の朝である。

    なぜこうなった。

    フライパンから火が出た

    その日はいつも通りお弁当作りをしていた。

    使っていたのはステンレスフライパン。

    すると突然。

    火が出た。

    一瞬ではない。

    ちゃんと火だった。

    思わず焦る。

    頭の中は真っ白。

    でも体は勝手に動いた。

    以前買っておいたスプレー式消火器を取り出した。

    実はこの消火器。

    買っただけではない。

    いざという時すぐ使えるように、事前にフィルムも外してあった。

    まさか本当に使う日が来るとは思わなかったけれど。

    その準備が役に立った。

    無事に鎮火。

    本当に焦った。

    殿を呼んできて

    私はこむぎに言った。

    「殿呼んできて!」

    こむぎは呼びに行った。

    そしてしばらくして。

    殿がやって来た。

    のんびりと。

    その頃にはもう火は消えていた。

    消火活動は終了していた。

    現場検証の段階である。

    そして殿の第一声。

    「消火器あってよかったねー」

    である。

    待ってほしい。

    それを言う人

    その消火器。

    買ったの私である。

    置いたのも私である。

    フィルムを外したのも私である。

    そして使ったのも私である。

    そもそも殿は消火器が家にあることを知っていたのだろうか。

    かなり怪しい。

    そんな人が。

    鎮火後に登場し。

    「消火器あってよかったねー」

    と総括している。

    火事のニュースのコメンテーターみたいな立場になっている。

    いや。

    現場にいなかったよね?

    誕生日とは

    結局その日は殿のお弁当はなしになった。

    こむぎにはおにぎりを持たせた。

    私は朝からフライパンを片付け。

    消火器の後始末をした。

    そして思った。

    誕生日って何だろう。

    ケーキもプレゼントもいらない。

    せめて朝一番に。

    「おめでとう」

    その一言くらい欲しかった。

    まさか誕生日の朝に消火器を使うとは思わなかったけれど。

    少なくとも今年の誕生日は。

    一生忘れないと思う。

  • ブログ40記事書いて気づいたこと〜ネタは家の中に転がっていた〜

    ブログ40記事書いて気づいたこと〜ネタは家の中に転がっていた〜

    気づけばブログ40記事。

    自分でも少し驚いている。

    始める前は続くかどうかわからなかった。

    というか。

    正直に言うと。

    数記事書いて満足して終わる気がしていた。

    ところがどっこい。

    40記事である。

    想定外である。

    ネタは探すものではなかった

    ブログを書く前は思っていた。

    そんな毎日ネタなんてないだろうと。

    芸能人でもない。

    特別な生活をしているわけでもない。

    旅行だって毎日行くわけじゃない。

    なのに。

    書き始めて気づいた。

    ネタは探すものではない。

    転がっているのである。

    しかも家の中に。

    一番ネタを供給しているのは殿だった

    旅行記も書いた。

    推し活も書いた。

    子育ても書いた。

    しかし。

    振り返ると。

    一番記事数を稼いでいるのは殿である。

    手羽先を頼む。

    結婚指輪が埋まる。

    弁当はいらないと言ったのに復活する。

    水筒の氷を監査する。

    了解だけ返してくる。

    気づけば殿観察日記になっている。

    本人は知らない。

    たぶん今後も知らない。

    こむぎもなかなか強い

    こむぎは突然名言を放つ。

    突然泣く。

    突然怒る。

    そして突然面白い。

    親だから慣れているけれど。

    文字にしてみると結構おもしろい。

    本人はいたって真面目である。

    そこがまた面白い。

    イライラもネタになる

    これは思っていた以上の発見だった。

    以前なら。

    イラッ。

    で終わっていた。

    ところが今は違う。

    イラッ。

    待てよ。

    これ記事になるな。

    になる。

    すると不思議なもので。

    少し笑える。

    もちろん腹が立つことは腹が立つ。

    でも。

    ネタになると思うと少し得した気分になる。

    ブログとは不思議なものである。

    完璧じゃなくてもいいと知った

    昔の私は書く前に考えすぎていた。

    タイトルを悩む。

    書き出しを悩む。

    途中で止まる。

    そして公開しない。

    そんなことも多かった。

    でも今は違う。

    まず書く。

    公開する。

    細かいことは後で考える。

    すると意外と続く。

    40記事続いた理由は才能でも根性でもなく。

    完璧を目指さなかったからかもしれない。

    40記事書いてわかったこと

    毎日は想定外だらけだった。

    だからブログ名は間違っていなかった。

    今日もだいたい想定外。

    殿も想定外。

    こむぎも想定外。

    私自身も想定外。

    そして。

    まさか40記事も続くとは思っていなかった。

    これもまた。

    想定外である。

    たぶん41記事目も。

    42記事目も。

    何かしらの想定外が起きるだろう。

    その時はまた書こうと思う。

    だって我が家は。

    ネタが尽きる気がしないのだから。😆

  • 我が家のトイレが突然ドッキリグランプリになった日

    我が家のトイレが突然ドッキリグランプリになった日

    爽やか生活のはずだった

    先日、インスタを見ていたら気になる投稿を見つけた。

    トイレットペーパーの芯にハッカ油を数滴たらすと、トイレが爽やかな香りになるらしい。

    なるほど。

    それは良さそうだ。

    暑くなってきたし、爽やかな空間は大歓迎である。

    というわけで、さっそく試してみた。

    やったことは簡単である。

    トイレットペーパーの芯にハッカ油を数滴たらしただけ。

    ペーパー本体ではない。

    芯である。

    だから問題ないと思った。

    ところが数日後。

    トイレで違和感を覚えた。

    なんかスースーする。

    気のせいかと思った。

    でもやっぱりスースーする。

    どうやら芯に染み込ませたハッカ油が、ごくわずかにペーパーにも移っていたらしい。

    爽やかどころではない。

    予想以上にスースーする。

    犯人は私だった

    後日、こむぎに聞いてみた。

    「そういえばトイレで何か変なことなかった?」

    すると即答だった。

    「スースーした。」

    やっぱりである。

    気のせいではなかった。

    さらに聞く。

    「なんで言わなかったの?」

    するとこむぎは真顔で言った。

    「ドッキリグランプリの罰ゲームかと思った。」

    爆笑した。

    そうだろう。

    私も同じ立場ならそう思う。

    だが、さらに続きがあった。

    「でも、そういう機能なのかと思った。」

    なぜ受け入れた。

    なぜ最新機能だと思った。

    そんなトイレットペーパーは聞いたことがない。

    しかし、こむぎは疑いながらも受け入れていたらしい。

    一方その頃、殿

    念のため殿にも聞いてみた。

    「トイレでスースーしなかった?」

    すると返事は一言。

    「え?全然。」

    気付いていなかった。

    私も気付いた。

    こむぎも気付いた。

    殿だけ気付かなかった。

    あれだけスースーしていたのに。

    本当に気付かなかったのか。

    気付いていたけど気にしなかったのか。

    真相は分からない。

    ただ一つ分かるのは、

    我が家で一番動じなかったのは殿だったということである。

    SNSのライフハックはほどほどに

    インスタで見た時は良いアイデアだと思った。

    実際、香りは爽やかだった。

    やり方も間違っていない。

    ただ我が家では、

    ほんの少しだけペーパーに染み込んだことで予想外の展開になった。

    爽やかなトイレを目指したはずが、

    こむぎは罰ゲームを疑い、

    私は原因究明をし、

    殿は何も気付かないまま生活していた。

    いつも思う。

    我が家は何かを試すたびに、

    少しだけ想定外の方向へ進む。

    今回もまた、

    そんな一日だった。

  • 手羽先事件〜なぜ毎回聞くのだろう〜

    手羽先事件〜なぜ毎回聞くのだろう〜

    居酒屋に行く。

    すると高確率で発生するイベントがある。

    手羽先事件である。

    殿は必ず手羽先を頼む

    殿は手羽先の唐揚げが好きである。

    好きなのは知っている。

    それはもう十分知っている。

    なぜなら。

    居酒屋に行くたびに頼むからだ。

    近所の居酒屋。

    初めての店。

    旅行先の居酒屋。

    どこでも同じ。

    メニューに手羽先の唐揚げを発見すると、ほぼ反射で注文する。

    もはや条件反射である。

    そして毎回始まる

    手羽先が運ばれてくる。

    すると殿が聞く。

    「食べる?」

    私は答える。

    「食べない。」

    ここまではいい。

    問題はこれが初めての会話ではないことである。

    何回目だろう。

    10回?

    50回?

    100回?

    もう数えるのもやめた。

    とにかく毎回である。

    私は手羽先の唐揚げが好きではない

    誤解のないように言う。

    手羽先自体は嫌いではない。

    問題は居酒屋の手羽先の唐揚げである。

    あれは手がベタベタになる。

    油まみれになる。

    私は少々プチ潔癖である。

    できればおしぼり1枚で済む人生を送りたい。

    なのに手羽先の唐揚げは、

    食べる

    手がベタベタ

    おしぼり消費

    まだベタベタ

    指の匂いが残る

    である。

    だから頼まれても食べない。

    ずっと食べない。

    昔から食べない。

    過去一度でも食べたことがあるだろうか

    むしろ聞きたい。

    私は過去に一度でも、

    「わぁ!手羽先だ!食べる食べる!」

    と言ったことがあるだろうか。

    ない。

    断言できる。

    ない。

    一度もない。

    なのに毎回聞く。

    なぜなのだろう。

    ついに言ってしまった

    先日。

    またその日が来た。

    手羽先到着。

    殿。

    「食べる?」

    私。

    「毎回同じこと聞かれて、毎回同じこと答えてるんだけど。」

    すると殿は言った。

    「好きじゃないなら、そう言ってくれたら頼まない。」

    いや。

    待ってほしい。

    言ってる。

    ずっと言ってる。

    何年も前から言ってる。

    毎回言ってる。

    さっきも言った。

    なんなら今も言った。

    結論

    殿は毎回手羽先を頼む。

    私は毎回断る。

    そして毎回同じ会話をする。

    もはや夫婦の会話というより定期メンテナンスである。

    次回もきっと聞かれる。

    そして私はきっと答える。

    「食べない。」

    想定外ではない。

    完全に想定内である。🤣

  • タイ旅行で忘れていたこと トイレットペーパー問題

    タイ旅行で忘れていたこと トイレットペーパー問題

    バンコク旅行で忘れていたことがある。

    大事なことである。

    トイレットペーパー問題である。

    タイではトイレットペーパーを流せないトイレがある。

    事前に調べていたので知っていた。

    実は私も他の国で経験済みだった。

    だから驚かなかった。

    はずだった。

    ところが。

    殿とこむぎは初体験である。

    二人とも驚いていた。

    特にこむぎ。

    「えっ、流しちゃだめなの?」

    という顔をしていた。

    日本では当たり前のことが当たり前ではない。

    海外旅行の面白いところでもある。

    一番やらかしたのはたぶん私

    そして人間の癖というものは恐ろしい。

    知っている。

    理解している。

    気をつけている。

    それでもやる。

    私は何度かうっかり流しそうになった。

    いや、流したかもしれない。

    正直覚えていない。

    そのくらい無意識である。

    一方こむぎは意外としっかりしていた。

    旅行中、女子チームはだいたい一緒にトイレへ行く。

    だからわかる。

    初めての経験なのに、ちゃんと覚えているのである。

    むしろ経験者の私の方が危なかった。

    殿はどうだったのか。

    知らない。

    男子トイレだからである。

    事前に驚いていたのは見た。

    その後どうだったのかは不明である。

    全部が流せないわけではない

    とはいえ、バンコク中のトイレがそうだったわけではない。

    マリオットでは普通に流せた。

    大きなデパートも問題なかった。

    流せなかったのは小さなショッピングモールや一部の施設、そして例のホラーホテルである。

    だから旅行中ずっと不便だったわけではない。

    ただ、日本との違いを感じる場面ではあった。

    こういう経験も旅行だと思う

    観光地。

    食べ物。

    ホテル。

    もちろんそれも旅行の楽しみである。

    でも私は、こういう小さな文化の違いも好きだ。

    日本では当たり前でも、世界では当たり前ではない。

    こむぎにも、

    「そういう国もあるんだよ」

    ということを知ってもらえたらいいなと思った。

    もっとも。

    一番学ぶべきだったのは、何度もうっかりしそうになった私かもしれない。

  • ずっと怖かったらしい【バンコク旅行・完結編】

    ずっと怖かったらしい【バンコク旅行・完結編】

    ホテルの不気味さには徐々に慣れてきた。

    いや。

    慣れようとしていただけかもしれない。

    誰かが「怖い」と言ったら終わりだった。

    たぶんみんな少し怖かった。

    でも口には出さなかった。

    こむぎも察していたのだと思う。

    聞いてもいないのに、

    「もう慣れたよ」

    「平気だよ」

    を何度も繰り返していた。

    小さいなりに空気を読んでいたのだろう。

    朝食会場にも見られている気がする

    朝食は普通だった。

    世界中どこにでもあるホテルの朝食ブッフェ。

    問題は雰囲気である。

    レストランにも例の肖像画。

    例の彫刻。

    朝から見られている気がする。

    気のせいだと思いたい。

    滞在中、コインランドリーにも行きたかった。

    スタッフに聞いたら、

    「歩いては行けない」

    と言われた。

    後からわかった。

    普通に歩いて行けた。

    なぜ止めた。

    そんなこともあった。

    超ローカル屋台で昼飲み

    ランチは近所の超ローカル屋台へ行った。

    英語が通じない。

    メニューもタイ語だけ。

    衛生面も日本基準で考えたらなかなかのアジア感。

    私はこういう店が大好きである。

    殿はびびっていた。

    こむぎは拒絶に近かった。

    結果。

    めちゃくちゃ美味しかった。

    ガパオも空心菜炒めも最高。

    ノースパイシーと言ったのに全然辛かった。

    英語が通じていなかったのか。

    調理器具に辛さが染み込んでいたのか。

    真相は不明である。

    でも美味しかった。

    暑い屋台で辛いご飯を食べながらビールを飲む。

    最高だった。

    楽しんでいたのは私だけだったけれど。

    汚い池を見ながら夕飯を食べる

    夕飯はホテルのレストランへ。

    汚い池を眺めながら食べるスタイルである。

    味は普通。

    値段は高め。

    地元では人気らしく、いつも混んでいた。

    担当制らしく店員さんが何度も来てくれる。

    ビールを注ぐ。

    皿を下げる。

    追加注文を聞く。

    日本人にはちょっと落ち着かない。

    さらに初日にチップの説明を受けた。

    直接は受け取らないので、伝票に金額を書いてくださいとのこと。

    少し戸惑ったけれど、

    郷に入っては郷に従えである。

    三日も通えば慣れる。

    タイまで来てマック

    残りの日はGrabで出前も頼んだ。

    こむぎ大歓喜。

    なぜならマックがあるから。

    私はタイ料理。

    殿とこむぎはマック。

    タイまで来てマックである。

    日本食を見つけた日のこむぎ

    ショッピングモールにも行った。

    そこで見つけた日本食レストラン。

    こむぎ大歓喜。

    迷わず入店。

    しかし海外の日本食レストランは不思議である。

    やたらサーモン推し。

    あいにく我が家は誰もサーモン好きではない。

    殿も私も食べたいものがない。

    こむぎだけが迷わずいくら丼を注文した。

    値段は全然かわいくなかった。

    でも久しぶりにしっかり食べていた。

    それだけで十分だった。

    バンコクで一番高かったスシロー

    別の日にはスシローも発見。

    もちろん入った。

    こむぎ大歓喜。

    見慣れたメニューに囲まれ、

    今までで一番安心していた。

    そして今までで一番食べていた。

    値段は全く回転寿司価格ではなかったけれど。

    たぶんバンコクで一番お金を使ったのは、

    スシローと日本食レストランである。

    もしかしたら寺院の写真撮影より高い。

    でも食べないよりはいい。

    そう思うことにした。

    行かなかった場所もたくさんある

    結局アユタヤにも行かなかった。

    水上マーケットにも行かなかった。

    電車が目の前を通る市場にも行かなかった。

    行きたかった。

    でも殿もこむぎも絶対楽しくないと言う。

    だからやめた。

    それも家族旅行である。

    最後の最後までタイだった

    帰りの空港では最後のタイ料理を食べた。

    そして最後の最後でやられた。

    大量のパクチー入りヌードル。

    食べられない。

    空港ご飯は高い。

    もしかしたら今回の旅行で一番高かったのは空港ご飯かもしれない。

    帰りの飛行機はLCCではなかった。

    快適だった。

    無事帰国。

    特別な事件があったわけではない。

    でも十分珍道中だった。

    帰宅後に判明したこと

    そして帰宅後。

    殿がぽつりと言った。

    「ずっと怖かった」

    特に風呂。

    誰かに見られている気がして怖かったらしい。

    お前もかい。

    でも。

    私のせいだとは言われなかった。

    それだけで十分である。

    今日もだいたい想定外

    誰も怖いとは言わなかった。

    でも全員ちょっと怖かった。

    こむぎは日本食を探し、

    殿はマックを食べ、

    私はローカル屋台でビールを飲んでいた。

    同じタイにいるのに、

    楽しみ方はみんな違った。

    それでも終わってみれば、

    なかなか楽しい珍道中だった。

    そして最後に判明した。

    あのホテルを怖いと思っていたのは、

    私だけではなかったのである。🤣🇹🇭🍺👑🌼

  • 口コミは嘘をつかなかった【バンコク旅行⑦】

    口コミは嘘をつかなかった【バンコク旅行⑦】

    プライベートプール付きに惹かれた

    今回のホテル選びで譲れなかった条件。

    それはプライベートプール付き。

    こむぎが喜ぶと思ったからだ。

    年末年始を1か月前に予約するという無謀な計画の中で見つけたホテル。

    条件は完璧だった。

    予約した。

    そして後悔した。

    予約した後に口コミを読んだからである。

    日本人だけ評価が低い

    口コミは散々だった。

    面白いことに海外の口コミは高評価。

    日本人の口コミだけ異常に低評価。

    文化の違いなのか。

    求めるものの違いなのか。

    理由はわからない。

    ただ。

    不安だけは増えていった。

    気付いた時には遅かった

    キャンセルしようと思った。

    そこで気付いた。

    キャンセル不可プランだった。

    慌てて予約した代償である。

    4泊分。

    なかなかの金額。

    お金を捨てて変更するか。

    そのまま泊まるか。

    悩みに悩んだ。

    殿にも相談した。

    「後から文句言わないでよ?」

    そう言うと、

    「全部丸投げしてるんだから文句言わない」

    とのこと。

    その言葉を信じることにした。

    到着して5分で察した

    ホテル到着。

    部屋へ入る。

    うーーーーーーん。

    やっぱりねーーーーーーー。

    口コミは正しかった。

    とにかく薄気味悪い

    まず暗い。

    全照明を付けても暗い。

    なぜそんなに暗いのか。

    そしてホテル全体が妙に不気味だった。

    アンティーク調が売りなのだと思う。

    でも違う。

    アンティークではない。

    張りぼてなのである。

    あらゆる場所に絵画。

    あらゆる場所に彫刻。

    あらゆる場所に装飾品。

    しかしどれも何とも言えない張りぼて感。

    しかも。

    怖い。

    本当に怖い。

    油絵の肖像画がやたら飾られている。

    謎の彫刻もある。

    夜見ると普通に怖い。

    ホラーである。

    プライベートプールとは

    楽しみにしていたプライベートプール。

    これも思っていたのと違った。

    小さい。

    とにかく小さい。

    プールというより。

    泡の出ないジャグジー。

    これが一番しっくりくる。

    景色もすごい

    部屋から見える景色もなかなかだった。

    目の前に人工池。

    しかも色がおかしい。

    不自然。

    どこかで見たことがある。

    そうだ。

    バスクリンだ。

    目の前に広がるのは巨大なバスクリン池だった。

    追い打ちをかける風呂問題

    お風呂も無駄に広い。

    広いだけである。

    そして怖い。

    さらに問題があった。

    バスタブのお湯が出ない。

    出るのは水だけ。

    誰が入るのだろう。

    修行だろうか。

    結局、滞在中はずっとシャワー生活だった。

    誰もプライベートプールに入らない

    楽しみにしていたはずのプライベートプール。

    ほとんど使わなかった。

    こむぎと殿が入っていたのはメインプールばかり。

    私にいたっては見る専門である。

    居心地が悪い

    ホテルは寝るだけ。

    そういう考え方もある。

    でも。

    それでも。

    居心地は大事だと思う。

    このホテルはとにかく居心地が悪かった。

    薄暗い。

    薄気味悪い。

    怖い。

    そしてあと4泊ある。

    まだ初日である。

    つづく。

  • この時ばかりは殿でかしたと思った【バンコク旅行⑥】

    この時ばかりは殿でかしたと思った【バンコク旅行⑥】

    最後のホテルへ移動する日

    バンコク滞在も後半戦。

    ここから4日間は同じホテルで過ごす予定だった。

    これまでホテルを転々としてきたけれど、ようやく落ち着ける。

    場所は街中ではなく空港近く。

    その前にどうしても行きたい場所があった。

    念願のピンクのカオマンガイ

    娘と事前学習済みだった。

    バンコクに行くなら絶対食べたい。

    ピンクのカオマンガイ。

    スーツケースを持ったままGrabで向かう。

    到着すると大行列。

    さすが人気店である。

    並ぶ。

    待つ。

    食べる。

    うまい。

    めちゃくちゃうまい。

    これは人気なのも納得だった。

    値段も安かった気がする。

    バンコクへ行くなら一度は食べるべき。

    遠くても食べるべき。

    本当にそう思う。

    緑には行けなかった

    近くには緑のカオマンガイもある。

    本当ははしごする予定だった。

    しかし。

    そんなに食べられない。

    若い頃なら行けたのだろうか。

    今となっては謎である。

    ちなみにこむぎは相変わらず。

    一口。

    終了。

    通常営業である。

    殿とトイレ問題

    殿はトイレが近い。

    とにかく近い。

    国内でも。

    海外でも。

    どこへ行っても。

    気付けば

    「トイレ行きたい」

    と言っている。

    今回も例外ではなかった。

    カオマンガイを食べた後もトイレ問題が発生。

    近くのデパートへ向かうことになった。

    Grabが見つからない

    トイレを済ませてホテルへ向かう。

    Grabを呼ぶ。

    ところが。

    アプリには到着済みと表示されている。

    なのに車が見当たらない。

    運転手から写真が送られてくる。

    「ここにいます」

    でも。

    その場所が見当たらない。

    どこだ。

    どこなんだ。

    まさかの殿出動

    ここで事件が起きる。

    まさかの殿が走り出した。

    「探してくる!」

    と言い残して消えた。

    本当に消えた。

    姿が見えない。

    こむぎと二人で、

    「どこ行ったんだろうね」

    と話していた。

    すると電話が鳴った。

    殿だった。

    「いたぞ!」

    「Grab見つけたぞ!」

    ものすごく得意げだった。

    本当に得意げだった。

    鬼の首でも取ったのかというくらい得意げだった。

    でも助かった

    正直に言う。

    助かった。

    めちゃくちゃ助かった。

    この時ばかりは思った。

    殿でかした。

    たまにはやるじゃん。

    たまには。

    そして最後のホテルへ

    無事にGrabへ乗車。

    連泊予定のホテルへ到着した。

    ここで4日間過ごす予定である。

    期待もしていた。

    楽しみにもしていた。

    そして部屋へ入った。

    第一声。

    うーーーーーーん。

    やっぱりねーーーーーーー。

    つづく。

  • 結局またセブンに寄ることになる【バンコク旅行⑤】

    結局またセブンに寄ることになる【バンコク旅行⑤】

    またホテルを移動する

    この日もホテル移動の日だった。

    せっかく貯めたポイントを駆使しながらのバンコク滞在。

    前日とは別のマリオットへ向かう。

    今思うとよく移動したと思う。

    旅行中のホテル移動って意外と体力を使う。

    でもマリオット好きとしてはやめられない。

    ノープランの日

    この日は特に予定を入れていなかった。

    街をぶらぶら。

    気になった店をのぞく。

    疲れたらホテルへ戻る。

    プールでのんびり。

    そんな一日。

    こういう日も嫌いじゃない。

    むしろ旅行中に一日くらいは必要だと思う。

    和食を求めるこむぎ

    夕飯の時間になった。

    相変わらず心配なのはこむぎの食事である。

    タイに来てからまともに食べていない。

    そんな中、こむぎが和食っぽいレストランを発見した。

    「あそこ行きたい」

    珍しく自分から言った。

    これはチャンスかもしれない。

    期待しながら向かう。

    しかし。

    休みだった。

    なんで。

    よりによって今日。

    またタイ料理へ

    仕方なく別のお店を探す。

    結局入ったのはタイ料理のお店だった。

    これが大当たり。

    観光客向けというより地元の家庭料理屋さんみたいな雰囲気。

    東京で言うなら三宿あたりにありそうな感じ。

    派手さはない。

    でも何を食べても美味しい。

    こういう店に出会うと嬉しくなる。

    殿も私も大満足だった。

    そして今日も食べない

    しかし。

    こむぎは相変わらずだった。

    少し食べる。

    終了。

    以上。

    いや本当に以上。

    大人たちが

    「美味しい!」

    と盛り上がる横で、

    ほとんど食べない。

    もはやルーティン

    食事を終えてホテルへ向かう。

    途中で立ち寄る場所も決まっている。

    セブンイレブンである。

    こむぎ用の食べ物を調達する。

    もうここまでくるとルーティンだ。

    レストランへ行く。

    こむぎ食べない。

    セブンへ行く。

    ホテルで食べる。

    毎日この繰り返し。

    タイ料理は美味しい。

    街も楽しい。

    ホテルも最高。

    でも我が家には一人だけ、

    最後までタイを受け入れようとしない人がいた。

    つづく。

  • 殿のスマホに眠り続ける写真【バンコク旅行④】

    殿のスマホに眠り続ける写真【バンコク旅行④】

    翌朝。

    まだ暗いうちから活動開始。

    事前に調べていた朝市へ向かった。

    もちろん調べたのは私である。

    朝5時。

    殿とこむぎをたたき起こして出発した。

    朝のバンコクは独特だった。

    屋台が並び、

    見たことのない食べ物が並び、

    歩いているだけでアジアに来たことを実感する。

    旅行中、こういう時間が一番好きかもしれない。

    屋台ごはんが想像以上だった

    朝市で朝ごはんを調達。

    ガパオ。

    卵焼きみたいなもの。

    もち米。

    パッタイ。

    そしてもちろんタイティー。

    ホテルへ持ち帰って食べてみた。

    これが驚くほど美味しい。

    何を食べても美味しい。

    本当に何を食べても美味しい。

    昨日のフードコートよりよっぽど感動した。

    朝から飲むお酒も最高だった。

    旅行だから許される。

    たぶん。

    それでも食べないこむぎ

    しかし。

    こむぎは相変わらずだった。

    一口。

    よくて二口。

    終了。

    昨日から続く食べない問題は継続中である。

    念願の寺院観光へ

    この日はバンコクらしく寺院観光。

    そして、こむぎ念願の民族衣装レンタルもした。

    レンタル店へ入る。

    着替える。

    気付けばタイ人スタッフさん達の流れ作業が始まっていた。

    言われるがままに衣装を着せられる。

    髪をセットされる。

    アクセサリーを付けられる。

    ベルトを締められる。

    気付けば完成していた。

    まるで工場のライン作業である。

    専属カメラマンまで付けてしまった

    さらにスタッフさんが言う。

    「写真撮りますか?」

    なかなかのお値段だった。

    タイでは高額。

    でも。

    せっかく来たし。

    せっかくだし。

    という魔法の言葉に負けた。

    専属カメラマン付き寺院観光スタートである。

    かわいい娘と怪しい殿

    結果。

    こむぎはかわいかった。

    本当にかわいかった。

    民族衣装もよく似合っていた。

    問題は殿である。

    タイの民族衣装を着ているはずなのに。

    なぜだろう。

    怪しげなインド人感がすごい。

    全然タイじゃない。

    似合っていない。

    いや。

    正直に言う。

    私も似合っていない。

    若かったら違ったのかもしれない。

    写真はどこへ行った

    撮影した写真はその場でデータ転送された。

    殿のスマホへ。

    あれから何年も経つ。

    写真は今も殿のスマホの中にある。

    たぶん。

    見返した記憶はない。

    現像した記憶もない。

    SNSに載せた記憶もない。

    撮ってもらったことが思い出というやつだろうか。

    バンコクの暑さをなめていた

    寺院観光は思っていた以上に疲れた。

    暑い。

    とにかく暑い。

    歩く。

    暑い。

    写真撮る。

    暑い。

    帰りは迷わずGrabを呼んだ。

    電車で帰る気力など残っていない。

    タイに住んだら通うと思う

    疲れたのでマッサージへ。

    これが最高だった。

    安い。

    気持ちいい。

    最高。

    最近のバンコクは観光客向け価格になると日本とあまり変わらない。

    正直そこまで安くない。

    でも。

    マッサージと屋台は違う。

    まだちゃんと安い。

    そしてちゃんと満足度が高い。

    もしタイに住んでいたら。

    きっと今より頻繁にマッサージへ行っていると思う。

    間違いなく。

    今日もだいたい想定外

    朝5時から朝市へ行き、

    こむぎは相変わらず食べず、

    民族衣装では殿が怪しいインド人になり、

    高いお金を払って撮った写真は行方不明。

    でも。

    朝市のごはんも、

    寺院観光も、

    マッサージも最高だった。

    今思い出しても、

    かなり濃い一日だったと思う。

    つづく。