最終日の朝。どうしてもウニが食べたい

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んに声をかけられた。

そのまま誘われるがまま、

「じゃあちょっとだけ」

と二軒目へ。

ここが仲卸のお店だった。

そして、

ウニが、とんでもなくおいしい。

数種類のウニを食べ比べられて、母むぎ幸せモード全開。

ウニをおかわり。

日本酒もおかわり。

またウニ。

また日本酒。

店員さんも、まあ飲ませ上手。

すすめられる。

飲む。

すすめられる。

飲む。

すすむ、すすむ。

完全に気分が上がってしまった母むぎ。

その勢いのまま、

ウニやらカニやらの発送までお願いしてしまった。

この時すでに、

送り先の住所を書くのも危ういくらい酔っていた。

今考えれば、

ここでホテルに帰ればよかったのである。

「もう一軒」が、運の尽き

最高の気分で二軒目を出た。

ここで帰ればいい。

帰ればいいのに。

なぜか、

もう一軒寄った。

これが運の尽きである。

ここから先、

母むぎの記憶はない。

9歳の娘にホテルまで送り届けられる母

ここからの出来事は、

後日こむぎから聞いた話と、残されたレシートなどから判明したことである。

どうやら母むぎ、

歩くこともままならない状態になっていたらしい。

そして、

こむぎにタクシーに乗せられ、

ホテルまで連れて帰ってもらった。

母、完全に終了。

娘、9歳。

どっちが保護者なのだ。

しかもこの日は、

函館から帰る日である。

帰るはずが、まさかの延泊

当然、ホテルからはチェックアウトを促す電話がかかってくる。

しかし母むぎ、

帰れる状態ではない。

結果。

延泊。

しかもこの延泊代、

それまで3泊していた宿泊料金より高かった。

痛い。

あまりにも痛い。

昼頃にはホテルへ戻っていたらしい。

「らしい」というのは、

もちろん母むぎには記憶がないからである。

次に母むぎがまともに意識を取り戻したのは、

夜だった。

こむぎ、本当にごめん

夜になって、うっすらお腹がすいた。

「なんか食べに行く?」

とこむぎに提案してみる。

すると、

止められた。

そりゃそうだ。

結局その日は外へ出るのをやめ、そのままホテルで過ごした。

そしてその間こむぎは、

朝市の三軒目で買った焼きとうもろこしを食べて、空腹をしのいでいたらしい。

……申し訳ない。

本当に申し訳ない。

翌朝。今度こそ函館を出る

その後また朝まで爆睡。

翌朝。

今度こそきちんと起きた。

チェックアウトもした。

もう朝市には寄らない。

絶対に寄らない。

そのまま駅へ向かい、駅弁を買って新幹線へ。

しかし母むぎは絶賛二日酔い中。

駅弁を食べながら、

トイレとも仲良くなりながら、

なんとか新幹線に乗りましたとさ。

函館旅行、最後の最後まで想定外

母娘ふたりで急きょやって来た函館。

朝市で食べて、

五稜郭へ行って、

函館山の100万ドルの夜景を見て、

たくさん笑って、

最後はウニを食べすぎ、

日本酒を飲みすぎ、

9歳の娘にタクシーでホテルまで送り届けられ、

帰る日に帰れず延泊。

最終日、やらかしすぎ。

でもまあ、

これも含めて忘れられない函館旅行になった。

いや、

最後のほうは本当に忘れているんだけど。

こうして母むぎとこむぎの函館旅は、

予定より一日遅れて、

ようやく幕を閉じたのでした。

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